集客施策に補助金を使って広告・販促を強化する方法

2025.10.22

「広告費をかけても成果が出ない」
「新しい集客施策に挑戦したいけど資金が
　足りない」と悩む経営者は多いのではないでしょうか。

そんな時に頼りになるのが「補助金」です。

補助金を使えば広告や販促、
ホームページ制作などにかかる費用を軽減
できて少ないリスクで集客を強化できます。

本記事では集客と補助金の関係から
具体的に活用できる制度、さらに成功事例や
実践ステップまでわかりやすく解説します。

集客と補助金の関係とは？

補助金が集客に役立つ理由

中小企業にとって集客は常に悩みの種です。

広告費をかければある程度の成果は
見込めますが、資金に余裕がない場合には
どうしても後回しになりがちです。

ここで活用できるのが補助金です。

補助金は国や自治体が企業の成長や
地域活性化の活動に対して給付する
返済不要の資金で広告や販売促進に
かかる経費の一部を負担してくれます。

つまり、
「手持ち資金を減らさずに
　販促を強化できる」という点で、
大きな後押しになるのです。

中小企業が使える主な補助金の種類

補助金といっても種類はさまざまです。

たとえば小規模事業者持続化補助金は、
チラシやホームページ制作、広告出稿など
幅広く集客に使える制度です。

小規模事業者持続化補助金まとめサイト
https://matome.jizokukahojokin.info/


IT導入補助金は、
顧客管理システムやマーケティングツールを
導入する際に活用できます。

IT導入補助金2025
https://it-shien.smrj.go.jp/


また、ものづくり補助金では
製造業だけでなくマーケティングの仕組みを
支えるシステム開発も対象となる場合があります。

これらを知っているかどうかで、集客の可能性は大きく変わってきます。

ものづくり補助事業公式ホームページ
https://portal.monodukuri-hojo.jp/

※補助金の応募要件や補助額などは、
　年度により変わる可能性があります。

集客に活用できる補助金制度の具体例

小規模事業者持続化補助金

中小企業が最も使いやすい
補助金が小規模事業者持続化補助金です。

従業員が5人以下（商業・サービス業）
または20人以下（製造業など）の事業者が
対象で、広告宣伝費やホームページ制作、
チラシ配布などの集客施策に利用できます。

補助額は、
最大50万円（特別枠は100万円以上も可）
と手が届きやすく、初めて補助金を申請する中小企業におすすめです。

IT導入補助金

オンライン予約システムや
広告運用の自動化ツールなど
ITツールの導入に特化した補助金です。

集客においてデジタル活用が欠かせない
今、IT導入補助金を使うことで効率的に
顧客管理や広告配信が出来るようになります。

例えば美容院が予約システムを導入したり、
飲食店がPOSシステムを入れることで、
販促活動のスピードと正確性が大きく向上します。

ものづくり補助金

ものづくり補助金と聞くと
製造業向けに思われがちですが、
サービス業などでも活用可能です。

たとえば自社専用のECサイトや
顧客管理システムを開発して、
集客につながる基盤を強化する
場合にも利用できます。

補助額は数百万円規模となるため、
思い切った投資をしたい企業にとって有力な選択肢となります。

地域密着型の補助金

自治体が独自に実施している
補助金も見逃せません。

たとえば地域商店街活性化補助金などは、
商店街のイベントやプロモーション活動に
活用できるケースがあります。

地域のお客様との接点を増やすために
活用すると地元に根付いた安定的な
集客につながります。

このように補助金を使った集客は
　大きな追い風になりますが、
　使い方を誤ると逆に経営の負担となる
　リスクもあります。

　次のセクションでは、
　補助金を活用した集客のメリットと
　注意点について解説していきます。

補助金を活用した集客活動のメリットと注意点

広告・販促費を補助できる

補助金を使う最大のメリットは、
広告や販促にかかる費用を実質的に削減できることです。

中小企業にとって広告費は大きな負担と
なりますが、小規模事業者持続化補助金を
活用すれば、チラシ制作、ホームページの
作成、SNS広告などにかかる費用の一部
を補助してもらえます。

これによって通常なら予算不足で
諦めていた施策にも挑戦できて、
集客の幅を広げることが可能になります。

信用・ブランド力の向上

補助金を受けた事実そのものが、
会社の信用力を高めます。

国や自治体の審査を通過した企業と
いう安心感が取引先や顧客に伝わり、
しっかりした会社だというイメージを
持ってもらいやすくなるのです。

例えば製造業が補助金を活用して
オンライン展示会を立ち上げた
ケースでは補助金活用の実績が
あることで新規顧客の信頼を得やすく
なりました。

結果として集客だけでなく、
営業活動全体の後押しにもつながります。

補助金申請でつまずきやすいポイント

一方で補助金の活用には注意点もあります。

申請には計画書の作成や見積書の準備が
必要で専門用語や書類作成に慣れて
いない企業はつまずきやすいです。

さらに補助金は後払い方式が多く、
自社で全額を立て替える必要があります。

キャッシュフローに余裕がないと実行が
難しい為、資金繰りを考えた上で計画を立てることが欠かせません。

また必ず採択されるわけではないため、
補助金に頼り切るのではなく、あくまで経営
改善のためのプラスアルファとして考えることが現実的です。

このように補助金をうまく活用すれば、
　広告・販促活動を強化しながら、
　信用力の向上にも繋げられます。

　ただし申請の手間や資金繰りの
　リスクもあるため計画的に取り組むことが
　成功のカギとなります。

補助金で集客を改善した成功事例

製造業の事例

ある精密部品を扱う会社は、
新規顧客の開拓が思うように進まず、
営業に大きな課題を抱えていました。

そこで小規模事業者持続化補助金を活用し、
自社の強みを分かりやすく伝えるための
ホームページをリニューアル。

さらにオンライン展示会への出展費用も
補助金で賄いました。

その結果、これまで接点のなかった
地方企業や海外からの問い合わせが増加し、
新規取引の獲得に成功しました。

補助金をきっかけに、
営業が属人化しない仕組みを作る事ができました。

サービス業（整体・学習塾など）の事例

地域密着で運営している整体院では、
広告費に大きな投資をする余裕がなく、
新規集客に伸び悩んでいました。

そこで補助金を活用して、Google広告と
ホームページの改善を実施。

さらにLINE公式アカウントを導入して、
予約を自動化。広告を見た新規顧客が
スムーズに予約できる流れを作れました。

結果として、広告から予約までの成約率が
向上してリピート顧客の定着にもつながりました。

また学習塾でも補助金を使ってチラシ制作や
体験授業のキャンペーンを強化し、入会数を前年比30％アップさせています。

飲食業の事例

飲食業では特にコロナ禍以降に新しい
集客の形を模索するケースが増えました。

ある飲食店は事業再構築補助金を利用し、
テイクアウトやデリバリー対応のシステムを導入。

さらにSNS広告を組み合わせて、
新しい客層を取り込むことに成功しました。

また別のレストランでは補助金を使って
予約サイトを整備して、ネット予約の比率を
高めたことで以前は取りこぼしていた顧客を
確実に取り込めるようになりました。

補助金の活用は単なる費用削減ではなく、
新しいビジネスモデルを育てるキッカケにもなっています。

このように業種ごとに異なる形で
　補助金を活用することで集客の
　仕組み化や新規顧客の獲得に繋げることができます。

補助金を活用した集客強化のステップ

補助金の情報収集と制度理解

まず最初に必要なのは、
どんな補助金が自社に使えるのかを調べることです。

国や自治体が提供する制度は数多くあります。

しかし広告や販促に活用できるものは限られています。

代表的なものに小規模事業者持続化補助金や
IT導入補助金があります。

公的機関のホームページや商工会議所の
相談窓口を活用すると最新情報を効率的に得られます。

重要なのは補助金ありきではなく、
自社の集客課題をどう解決するかを基準に補助金を選ぶことです。

申請書の作成とポイント

補助金の申請は、単にお金がほしいと
伝えるのではなくなぜ必要か、
どう成果につなげるかを説得力のある形で
説明する必要があります。

例えば広告の実施で新規顧客を20％
増やして、売上を安定させたいと
いった具体的な数字や計画を盛り込むと通りやすくなります。

また専門用語を多用せず、
自社の強みや地域への貢献をわかりやすく
伝えることも重要です。

ここでつまずく企業も多いため、
必要に応じて専門家や商工会議所のアドバイスを受けることも検討しましょう。

補助金を活用した施策の実行

採択されたら、
計画した施策を速やかに実行します。

たとえばホームページのリニューアル、
SNS広告の出稿、チラシの作成などです。

このとき大切なのは、
単発の集客で終わらせないことです。

補助金を使って得た仕組みを継続して
回せるように設計すると効果が持続します。

また補助金は、
実際にお金を使ってから補助される事が
多いためキャッシュフローを事前に確認しておく必要があります。

効果測定と改善サイクル

施策を実行した後は、
必ず効果を測定しましょう。

ホームページからの問い合わせ数、
広告からの予約率、リピート率など、
指標を決めて追跡することが大切です。

数値をもとに、うまくいった事と
改善すべきことを明確にすれば、
次の集客活動につなげられます。

補助金をキッカケに、
PDCAサイクルを社内に根付かせる事が
できれば短期的な効果だけでなく、
持続的な効果を得られるようになります。

補助金と相性が良い集客施策

ホームページやランディングページの改善

補助金を活用すると、
自社のホームページやLPを見直す費用に充てることができます。

中小企業の中には、
作ったまま更新していないサイトが多く、
その結果、問い合わせに繋がらないケースを多くみます。

補助金を使って最新デザインに改修して、
わかりやすい導線を整えることで、
見込み客の離脱を防いで、成約率を高めることができます。

またスマートフォン対応や予約システムの
導入も補助金を活かせば実現しやすくなります。

SEOや広告運用

検索エンジンで上位表示させるSEO対策や、
Google広告、SNS広告の運用も補助金と
相性が良い施策です。

特に小規模事業者持続化補助金では、
販促用の広告費が補助対象になりやすい
という特徴があります。

広告は出すだけでは成果に繋がらないため、
キーワード設計やターゲット設定を専門家に
任せると精度が上がります。

補助金を利用すれば、
これまで手を出しにくかった専門家への外注も現実的になります。

SNSや動画マーケティング

補助金を活かしてSNSの運用体制を整え
たり動画コンテンツを制作する企業も増えています。

文章では伝わりにくいサービスの魅力を、
動画で「見える化」することは強力な集客手段です。

例えば整体院であれば、
施術の流れを動画で紹介することで安心感を
与え飲食店なら料理の臨場感を動画で伝えられます。

制作費は一定の負担になりますが、
補助金を使えば投資のハードルを下げられます。

チラシやDMなどのオフライン施策

オンライン集客が注目される一方で、
補助金はオフラインの施策にも使えます。

地域に根差した店舗型ビジネスであれば、
チラシのポスティングやダイレクトメールも
依然として効果的です。

デザイン費や印刷費、配布コストを補助金で
賄うことで負担を抑えつつ安定した集客につなげられます。

特に高齢層をターゲットとする場合、
紙媒体は信頼を得やすい手段です。

補助金を活用した集客の始め方

補助金を集客に活かすには、
計画性と実行力が欠かせません。

特に中小企業の場合、
日々の業務に追われて後回しに
なりやすいため、３つのステップで
進めると効果的です。

STEP1.情報収集と戦略づくり

最初の1か月は、情報収集に集中します。

どんな補助金が利用できるかを確認し、
自社の課題に合う制度を見極めましょう。

例えば小規模事業者持続化補助金であれば、
広告やチラシの作成、ホームページの改修に活用できます。

この段階では単に制度を探すだけでなく、
補助金を使って何を実現したいかを明確にすることが大切です。

STEP2.申請準備と提出

次の1か月は、
申請書の作成と提出に取り組みます。

申請の要点は、
・誰に
・どんな価値を届け
・どんな成果を期待するのか
を具体的に書くことです。

採択されやすい事業計画は、
数字やストーリーがはっきりしています。

例えば、
SNS広告を活用して3か月で
新規顧客を20％増やすと
いった数値を入れると効果的です。

書類の不備で落ちるケースも多いため、
商工会議所や専門家にチェックを依頼するのもおすすめです。

STEP3.施策実行と効果測定

採択されたら、
計画した施策を速やかに実行します。

ホームページのリニューアル、動画広告の
制作、チラシの配布などを実行した後、
必ず効果測定を行いましょう。

問い合わせ数や来店数の変化を記録して、
成功点と改善点を明確にします。

補助金は単発の支援ですが、
ここで得たデータをもとに改善する習慣を
残すことで長期的な集客力強化に繋がります。

まとめ

補助金は単なる資金獲得ではなく、
集客の仕組みを強化するチャンスです。

広告や販促にかけるコストを抑えつつ、
ホームページやSNSの改善、動画制作、
チラシ配布などを実行できるのは、
補助金があるからこそ実現できます。

また補助金を活用した取り組みは、
企業の信頼性やブランド力を高める効果もあります。

ただし申請には時間と準備が必要であり、
実行した施策を定着させなければ一時的な成果で終わってしまいます。

そのため、
情報収集から申請、実行、効果測定までを
一連の流れとして計画的に進めることが大切です。

もし申請内容をどうしようかと迷う場合は、
商工会議所や専門家への相談も有効です。

小さな一歩を早めに踏み出せば、
数か月後には売上の安定化や新規顧客の
増加といった成果が見えてきます。

補助金をきっかけに、
集客の仕組み化を進めることで、
経営者自身の負担を減らして、企業の
成長スピードを加速させることができるはずです。

この記事を書いた人

代表取締役 荒井和也
代表取締役 荒井和也
中小企業の経営者向けに、マーケティング相談を300社以上行う。経営の舵取りに集中したい経営者に、現場から離れても成果が継続する「マーケティングの仕組み化」を業界20年以上の経験を活かして支援している。